ジャパン/コンピュータ・ネット代表取締役 岩戸あつし

新年あけましておめでとうございます。

本年は昨年よりももっとAIを活用する企業、個人が増えていくことが予想されます。そこでビジネスで最も使用されているMicrosoft OfficeとAIを結びつけるMicrosoft Copilotに関する情報をお伝えします。

Microsoft Copilot(マイクロソフト・コパイロット)というソフト名は、多くの方が聞いたことがあると思う。マイクロソフトが開発した生成AIだ。マイクロソフト社は、Chat GPTの開発元であるOpen AI社に早くから投資しており、AIエンジンはOpen AI社から提供されているため、Chat GPTと同じものを使っている。発売当初は、Microsoft Bing Chat(マイクロソフト・ビング・チャット)と呼ばれ、マイクロソフトの検索エンジンであるEdge(エッジ)に組み込まれていた。そのころのChat GPTのバージョンは3で、2019年以降の事件や記事といったデータがインプットされていなかったため、最新情報の検索ができなかった。マイクロソフト社は、Edgeの検索エンジンとChat GPTのAIエンジンを組み合わせて、Bing Chatを開発し、その欠点を補った。が、私にはBing Chatはとても使いにくく、結局AIが必要なときはChat GPT、検索はGoogleと使い分けていた。

2023年になってChat GPT 4が登場し、検索問題が大幅に改善され、さらにGPT 3で問題視されていた情報の正確さ、記憶量、スピードなどが大幅に改善され、ビジネスで使いものになるAIとして脚光を浴びた。同じ年、マイクロソフト社はAI生成ソフトの名称を、Bing ChatからCopilotに変更した。Copilotは副操縦士という意味で、つまり日本語でいう強い右腕を持つという例えから来ている。Windows 11の最新バージョンにはCopilotが最初から組み込まれており、タスクバーに統合されている。また、最新のWindows 11搭載PCには、Copilotのキーが搭載されたものがあり、そのキーを叩くとCopilotが立ち上がる。また、わたしはWindows 10のPCも持っているが、それでもCopilotが使用できている。理由は、ウィンドウズのバージョンとは関係なく、EdgeにCopilotが組み込まれていて、Edge上で使うことができる。

Copilotへの名称の変更と同時に、マイクロソフト社は、同社が持つ最大の強みである主力ビジネス・アプリケーション、Microsoft OfficeにCopilotを組み込んだ。これによって、ワード、エクセル、パワーポイント、アウトルック、ティームズといった個々のアプリを以下の様にAIで強化した。ただし、Officeのバージョンは、Office 365ライセンス・バージョンに限られ、買取版のOffice Home & Businessには適用されない。

Word (Copilot in Word)
 • コンテンツ生成:
  o 文書の自動作成(提案文書やレポートのドラフト生成)。
  o 指定されたトピックに基づく文章の執筆支援。
 • 編集と要約:
  o 長文の文書を要約し、簡潔な概要を提供。
  o 書式や文体を変更するサポート。
 • アイデア提案:
  o キーワードや簡単なプロンプトから文書作成のアイデアを提案。
Excel (Copilot in Excel)
 • データ分析:
  o 自然言語で質問を入力すると、データに基づいた洞察や傾向を提示。
  o ピボットテーブルやチャートの自動作成。
 • 予測分析:
  o 過去のデータを基にした将来の予測やシナリオ分析。
 • データのクリーンアップと統合:
  o 重複データの検出や整列、データ統合の支援。
PowerPoint (Copilot in PowerPoint)
 • スライドの自動作成:
  o テキスト、データ、画像を基にしたスライドデッキの生成。
  o 一貫したデザインとフォーマットの適用。
 • ナレーションと要約:
  o スライドの要点を要約したナレーション原稿の作成。
 • デザイン提案:
  o プレゼンテーションのデザインやアニメーションの改善提案。
Outlook (Copilot in Outlook)
 • メールの作成と返信:
  o 指定されたトーン(フォーマル、カジュアルなど)でメールを自動生成。
  o 長いメールチェーンの要約を提供。
 • スケジュール管理:
  o スケジュール調整のための提案やカレンダー管理の効率化。
 • 会議内容の要約:
  o 会議の内容を要約し、次のステップを提案。
Teams (Copilot in Teams)
 • 会議の要約とアクションアイテム:
  o 会議中にリアルタイムで要点を記録し、アクションアイテムをリストアップ。
 • 自然言語でのインタラクション:
  o チャットボットのように、自然言語で指示を出して情報を収集。
 • 提案とフォローアップ:
  o チームメンバーにフォローアップするべき内容を提案。

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